![]() たかがソウルミュージック。理屈はこねず黙って楽しめばいいのです。 でも時には熱く語らずにはいられない思いに馳せられるレコード。生き方を 軌道修正させられるかのような衝撃をソウルミュージックから受けることが あります。そうゆうレコードにどれだけ出会ったかでその人のソウルの向き 合い方も変わってくるのでしょう・・。究極のアルバムはどれ?そんな会話を すれば必ず登場するのがこの「STAND BY YOUR MAN」ではないでしょうか? CANDI STATONはアラバマで生まれこの地の空気を存分に吸って育った。 アラバマといえばマッスルショールズ。サザンソウルの名門FAMEがある。 彼女は後の夫にもなるCLARENCE CARTERに見いだされシンガーとして売り 出すことになるのであった。生粋の南部娘のCANDI STATONと最良のスタジオ とミューシャンを揃え非の打ち所の無いサザンソウルを生み出し続けたFAME はまさに出会うべくして出会ったといえる最高の組み合わせであった。 FAMEでまずデビューアルバム「I'M JUST PRISONER」を発売する。ブルージー な曲を自然に歌いこなす持ち味に味わい深いサザンテイストが効いたバラード。 FAME GANGの完璧なバックも実に彼女のシンガーとしての魅力を引き出して いる。この時代のサザンソウルの名盤の一つと言えるでしょう。 そして生まれたのが70年に作られた2作目「STAND BY YOUR MAN」です。 このLPをまともに紹介するとなると個人的な思い入れと熱いものがこみ上げて きて語り尽くす事ができなくなってしまいます。まぁその辺りは押さえて紹介しま しょう。(笑) まずタイトル曲はカントリーシンガーのTAMMIE WYNETTEのヒット曲のカヴァー です。原曲のカントリーテイストを残しながら情熱が溢れだしてくるかのようなス トリングスが胸を打つ感動的な曲だ。FAME時代の最大のヒット曲になりました。 その余韻を引きずりながら始まるのが2曲目です。もう説明するのも言葉が見つ けられないぐらい素晴らしい光り輝くソウルバラードです。何百回聞いても感動が 薄れる事が無い涙も枯れ果ててしまうサザンソウルなのです。 2作目では前作に色濃かったブルージーな側面はやや弱まりタイトル曲のような カントリーフレイバーを取り入れた音作りを試みています。しかしそこに違和感を 感じさせることなく自然体に溶け込んでるように思えます。南部のソウルが白人の カントリーのミュージャンが多く関わって作られてきた歴史があるようにこの地の 音楽はソウルに限らず白人と黒人がごく自然に共に音楽を作り出してきた関係が ある。そうゆう土地だからこそ聞き手に嫌みを感じさせない飾らないソウルミュージ ックが生み出せたのでしょう。まさに「STAND BY YOUR MAN」にはFAMEのRICK H ALLが目指した理想の世界があるような気がします。それは南部の自然体の音楽 の世界を伝えることでは?と思っています。南部の空気で育ったシンガーにしか生み 出せない魅力がある。CANDI STATONの持ち味とARETHA FRANKLINやGLADYS KNIGHTといったシンガーとは体質が違うのです。 彼女は3作目「CANDI STATON」を発売後74年にはメジャーのワーナーに移籍 して「YOUNG HEARTS RUN FREE」などディスコサウンドにアプローチした作品を 生み出している。この時代も悪くは無いので是非! 後にSugarhillで「NIGHTLITE」などの名作を作りはするがゴスペル界に転向してし まう。今現在もゴスペルシンガーとして活躍中。 かけがえのないシンガーだ。是非ゴスペルでも構いませんのでライブを見てみたい ものです。 |
CANDI STATON STAND BY YOUR MAN(70) 1.STAND BY YOUR MAN 2.HOW CAN I PUT OUT THE FLAME 3.I'M JUST PRISONER 4.MR.AND MRS.UNTRUE 5.TOO HURT TO CRY 6.HE CALLED ME BABY 7.SWEET FEELING 8.TO HEAR YOU SAY YOU'RE MINE 9.WHAT WOULD BECOME OF ME 10.FREEDOM IS JUST BEYOND THE DOOR |